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デビシャウル村 手押しポンプ寄贈プロジェクト
  
■プロジェクトのはじまり
 2004年7月末、JICA秋田デスクの担当者から、ある中学生を紹介したいとお話がありました。その生徒さんは、途上国の水のことを調べ、「秋田市平和フェスティバル」で発表したそうです。そして、そのきっかけから、途上国の安全な水のための活動をしたいということでした。その生徒さんは、秋田東中学校生徒会副会長の小林さんとおっしゃいます。
 8月に入り、秋田県国際交流協会で、JICAデスクから小林さんを紹介されました。バニヤンツリーからは、藤本と現地の事情に詳しいカビールが出向きました。その後も数回、バニヤンツリーは小林さんとの打ち合わせを重ねました。そして、デビシャウル村の手押しポンプのない、同じような年齢の女子に手押しポンプを寄贈することと、そのための募金活動を生徒会執行部が、学校祭で行うとことが決定しました。

■学校祭
 9月11日(土)の学校祭に、来日間もない、バニヤンツリーのラベヤ研修医、カビール副代表、藤本が応援に出かけました。生徒会執行部のみなさんは、募金箱をはじめ、たくさんのバングラデシュの資料を作成してくださったようでした。そこには、バニヤンツリーの紹介もあり、感謝の気持ちでいっぱいになりました。ラベヤ会員が小林さんにサリーを着付けたり、また、生徒さんたちは、ラベヤ会員、カビール会員との交流を楽しんでいるようでした。短時間でしたが、ささやかなお手伝いをすることができました。

■募金総額
 学校祭が終わって数日後、小林さんから報告のお電話をいただきました。
 なんと募金総額111,080円!
 あまりの高額に声も出ないほどでした。なぜなら、うちあわせで、「1,5000円くらいあれば」ということでしたので、本当に驚きました。実際、生徒会執行部でもこんなに集まると思っていなかったようです。
 みなさん、ありがとうございました!!

みなさん、東中祭で募金を!
 私たちは、9月11日の東中祭でバングラデシュを支援するための募金を展開します。集めたお金は、何かの事情のために学校をやめてしまった女の子の家にポンプを贈るために使います。
 バングラデシュは、たびたび洪水におそわれたりしていますが、そのたくさんの降水量は安全な水の確保につながらないのです。
 女の子の笑顔が見たい方、すこしでも彼女の生活を楽にしたい方、募金をよろしくお願いします。
                  東中生徒会
(募金呼びかけ文より)

募金総額111,080円!

学級イベント会場での募金 81,487円
募金コーナーでの募金   14,244円
先生方からの募金      15,349円

東中学校のみなさん、そして地域のみなさん
ありがとうございました。


生徒会執行部作成資料の説明を受ける


たくさんの生徒さんが募金してくれました


サリー着付け中、とてもおにあいでした


小林さんからバニヤンツリーへ

■募金贈呈式
 9月22日(水)午後5時より、東中学校校長室に於いて、募金贈呈式が行われました。東中学校は、校長先生、教頭先生、担当の加賀谷先生、小林さん、そしてバニヤンツリーからはラベヤ会員、カビール会員、藤本が出席しました。多額の募金が集まった経緯の説明を受け、バニヤンツリーからも感謝の挨拶をさせていただきました。
 また、募金贈呈式の後、手押しポンプの寄贈先の確認と、残ったお金の使い道についての話し合いが持たれました。そして、デビシャウル村の数名の女子宅に手押しポンプを寄贈すること、工事費、送料、ポンプ購入費など、事業に関係するすべてを募金で行い、残りはボグラ診療所建設プロジェクトに寄付することを決定しました。


三人で記念撮影

 

■デビシャウル村手押しポンプ寄贈プロジェクトのプロセス
バニヤンツリーは、ボグラ支部と連携の上、次の課程でプロジェクトを進行しました。
1.デビシャウル村在住の14、15歳の女子で、自宅に手押しポンプのない家庭の調査
2.ポンプ寄贈対象女子の決定
3.女子の保護者への説明と許可
4.ポンプ購入と工事業者の決定
5.工事
6.ポンプ寄贈女子生徒の名簿作成とアンケートの実施


池で洗濯をするデビシャウル村の女性

■手押しポンプが寄贈された女子
ボグラ支部は調査のために数回村を訪ねました。その結果、家に手押しポンプのない、次の五人の女子への寄贈が決まりました。
タニヤ スルタナ
ゼスミン アクタル
・セリナ アクタル
・モサマット パルビン
・サビナ イヤスミン


設置前の手押しポンプ

■デビシャウル村の水事情
 洪水の少ないデビシャウル村ですが、2004年夏の大洪水では多少の被害を受けました。道や屋外の台所に雨水があふれたり、池の増水により、不衛生な状況が続き、安全な飲み水の確保が難しい家庭も出てきました。
 手押しポンプのない家庭は、池の水で洗濯をし、体を洗い、時には食事の支度にも使用しています。この洪水で、このような家庭はさらに窮地に追い込まれてしまいました。

手押しポンプは五ヶ所に設置します

工事の様子、手作業です

セメントを固める時間が必要なので、
工事は数日かかりました


ポンプの支柱は盗難防止とか
レンガで周りを囲いセメントで固めます



それぞれの家庭の希望場所に設置


工事完了。今日から安全な水が使えます

 

手押しポンプを寄贈された女子


パルビンさん。事情があり学校へ行っていません。将来は家庭を作るのが夢。

サビナさん。たくさん勉強して教師になりたい。お兄さんは2004年のバニヤンツリー奨学生。

セリナさん。高校を卒業するのが夢です。
がんばって勉強を続けてくださいね。


ゼスミンさん。医者になるのが夢。
実現に向けてがんばってくださいね。


社会福祉指導員を目指すタニヤさんの弟。
本日お姉さんは親戚訪問で留守でした。


「デビシャウル村手押しポンプ寄贈プロジェクト」アンケート回答

アンケート内容
1.
手押しポンプがなくて困ったこと
2.手押しポンプができてよかったこと
3.寄贈してくれた人たちに何か言いたいことがあれば
4.将来なりたい職業は?どのようにその夢を実現させたいのですか?

■回答
1.押しポンプがなくて困ったこと
・飲料水に困っていた
・浴びる(シャワー)水に困っていた
・遠いところから飲料水を運ばなければならなかった
・水を運ぶことで苦労していた
・池の水を使うことで、時々お腹の病気になった 
2.手押しポンプができてよかったこと
飲料水に困らない
・浴びる(シャワー)ために、他の場所へ行かなくていい(池など)
・遠いところから水を運ばなくていい
・お腹の病気が減った
3.寄贈してくれた人たちに何か言いたいことがあれば
・心から感謝する
・ドンノバード(ベンガル語で「ありがとう」)
・このプロジェクトによって我が家の水の問題が解決したので、私たち家族全員が感謝している
トイレが欲しい
4.何になりたい職業は何ですか?どのようにその夢を実現させたいのですか?
・医者(ゼスミン)  方法にふれていない
・家庭を作りたい(パルビン)  方法にふれていない
・教師(サビナ) 方法にふれていないが田舎の一般人のために働くと書いてある
・高校を卒業したい(セリナ) 方法にふれていない
社会福祉指導員、社会福祉の仕事(タニヤ)必要とする人を助け、社会福祉に役立ちたい

BanyanTree

手押しポンプの設置で、五家族の水の問題が解決しました。募金をしてくださった皆様に心から御礼を申し上げます。